婚姻費用算定表 養育費算定表
養育費、婚姻費用算定表について
令和元年12月23日に裁判官が行っていた司法研究の報告がなされ、いわゆる養育費及び婚姻費用の算定表が事実上改定されました。
既に、この新しい算定表をもとにして、実務が動いています。
表は裁判所のホームページに載っています。
お子さんの人数、年齢が該当する表を見て、会社員の方であれば、権利者、義務者の年収(総支給額)の縦軸、横軸が交わるところをみてください。
表の見方についても、裁判所のホームページに載っています。
民法改正で成年年齢が引き下げられることが決まっていますが(2022年4月1日から施行)、改正法の施行前に養育費の終期として
「成年」達する日までなどと定められた協議書、調停調書等における「成年」の意義が基本的に20歳と解することが相当と報告されています。
また、満20歳に達する日までなどと定められた合意の支払い義務の終期を18歳に変更すべき事由にはならないとされています。
調停などでは、20歳になる月までと定めることも多くあります。
成年年齢が引き下げられる法改正があるからといって、20歳までとした合意が当然に18歳に代わるわけではありません。
養育費の支払い対象となる未成熟子の判断については、必ずしも成年年齢と一致するものではありません。
これまでも個別に判断されていましたが、今後も、社会的な状況や個別の事情によって判断されることになるでしょう。
今後、成年年齢が引き下げられた後のケースであったとしても、突然状況が変わることは考えにくいです。
例えば、法改正施行後、5月生まれの子は高校3年生の5月に成年に達することになりますが、
高校在学中に、突然、親が経済的に支える必要がなくなるというのは考えにくいことです。
子が高校を卒業した後についても、状況は様々です。
同じ19歳であっても、正社員として働いている人もいれば、大学生もいます。
専門学校生も浪人生もいます。
ご家庭の方針も様々です。
現在の進学率の高さを踏まえて大学卒業まで基本的な費用はご両親が出すという方針が多いとは思いますが、
高校を卒業した後は経済的にもある程度は自立をしてほしい、大学で必要な学費や生活費はある程度子自身に負担してほしいという方針のご家庭もあると思います。
例えば片方の親から子が高校を卒業した後は養育費を出したくないという主張があった場合、裁判などでは、その家庭の経済的な事情、学歴などの事情を踏まえて裁判所が検討していくことになります。
調停では合意ができるかどうかが問題です。
大学生の子の学費や生活費をどう分担するのかについては、金額が大きいこともあり、調停や裁判でも大きなテーマになります。